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乳歯の時に注意すること(歯並び:矯正って絶対必要??)

今回は歯並びのそもそも論について書いてみます。前々回は、かみ合わせが逆になる反対咬合について、前回は乱ぐい歯について解説しました。

 

ここでもう一度一般的な知識として知っておくべきことを書いておきます。

 

  1. 乳歯の時の歯並びが、必ずしも大人の歯の歯並びに絶対に影響するとは限らない。
  2. ママやパパの歯並びは、子供に影響する(遺伝する)ことは多い。
  3. 乳歯の時期の口呼吸は歯並びに影響する。(鼻が詰まりやすいなどの原因で)
  4. 正しく言葉を発することが実は大切。
  5. 指しゃぶりは必ずしもすぐにやめさせなくてもいい。
  6. 子供の歯並びにパーフェクトを求めているのか、個性として受け入れられるのか、パパやママの価値観が重要。
  7. 矯正治療はいつでも(大人になってからでも)始められる。

 

 

 

 

拡大装置という、こどもの矯正

Günther BraunによるPixabayからの画像

拡大装置というのは、骨の成長を装置で後押しするものです。

 

これを始める時期は永久歯が生え始めてきてからで大丈夫です。

歯の一生を考えてみる

confidentdentalcareによるPixabayからの画像

3歳ごろまでに計20本生えそろって、乳歯だけで約3年間過ごします。たった3年です。

 

それから6歳ごろから13,14歳まで7~8年かけて、次々と、乳歯が大人の歯(永久歯)に生え変わっていきます。

 

永久歯は親知らずが生えてくる20歳ごろまでですべて生えそろい、32本です。

 

日本では多くの方が、親知らずがうまく生えず、生えていても、うまく噛み合っていなかったりするため、通常は親知らずを数えず28本あれば機能します。

 

その後、人生100年とすれば、85年以上、この永久歯を使うことになります。

 

何十年と使う永久歯の歯並び、かみ合わせが、子供の頃にほぼ決まってしまうと言っても大げさではありません。

 

だからこそ、ママやパパたちが自分たちの子供の歯並びを気にすることも当然です。

 

 親としての責任を感じることでしょう。

 

 

お友達が矯正を始めていることへの焦り

 

 

 

 

 

これくらい子供の歯が隙間があれば、安心ですが・・。

 

上の歯も下の歯もすべて永久歯がきれいに並び、理想通りのかみ合わせになる人は少ない印象です。

 

日本人はあごの骨が小さいわりに、歯が大きいと言っても反対意見はそんなに出ないと思います。

 

乱ぐい歯というと、言いすぎですが、多少、隣の歯どうしが少し重なったりすることが圧倒的に多いように思います。

 

最近では、矯正歯科の専門医でなくとも、子供の矯正を手掛ける歯科医師は増えています。

 

こういうこともあって、小学生の子供が矯正治療を受けていることは珍しいことではなくなってきています。

 

このプレッシャーがママたちにのしかかることで、「うちの子は大丈夫かしら?」という疑問が出てきます。

 

なので、ママやパパからの質問は「矯正やったほうがいいですか?」です。

 

 

子供の矯正をする歯科医師は、永久歯がすべて生えそろう小学6年生~中学1年生くらいまでは積極的に親に矯正を勧めることも多いです。

 

それには理由があると思います。

 

  • 先手必勝、すなわち乳歯より大きい永久歯が生えるスペースを確保しておくことで無理なく永久歯を迎えることができる。
  • 費用対効果が大きい、すなわち、柔らかい骨は変化しやすいので、比較的短時間で、骨が拡大していってくれる。

もちろん保険診療ではできませんので、安いとは感じないかもしれません。しかし大人になるまでに、終了してしまいます。

 

 

 

 

歯科医師のゴールとママのゴールとのギャップ

歯科医師は、「きれいに並べて、しっかりとしたかみ合わせを構築しなければ」と思っています。

 

それは、間違いではありません。

 

しかし、一方で世の中には、少々、歯が重なっていても、まっすぐに生えていない歯が1本2本あっても、まったく食事に困らなかったり、本人も気にせずに生きている大人が多くいます。

 

私は、質問されたときに、逆にママやパパたちが望んでいる歯並びがあるのか聞いてみるようにしています。

 

 

ハリウッド俳優のようなスマイルを求めているのか、日本の芸能人のような、まぁまぁの歯並びでOKなのか?

Joey VelasquezによるPixabayからの画像

ハリウッド型なら、少しでも永久歯がうまく生えてこないようであれば、積極的に歯科矯正の介入を行います。

 

ただ、日本の芸能人くらいでも大丈夫なら、たいていは、様子を見ていくことにしています。

 

まぁ、日本の芸能人といっても、ハリウッドスマイルの人も増えていますが・・・。

 

 

大人になってからでも歯は矯正できる

August HattingerによるPixabayからの画像

もし、矯正治療を行わなかったらどうなるのか?

 

もし、日本の小学校、中学校でを通っておられるお子さんなら、問題があれば学校の歯科検診で「歯並び」の問題を指摘されるでしょう。

 

その時は、できるだけちゃんとかかりつけの歯科医師、あるいは矯正の専門医の診察を受けてください。

 

ただ、歯科検診でひっかからなくとも、歯がまっすぐに歪みなく並ぶとは限りません。

 

こうして、何もせずに大人になった場合でも、歯並びが原因で生活に困るということは少ないのではないかと考えます。

 

もし、大人になってから、子供さん自身が「きれいな歯並びにしたい」と言ってからでも全く遅くありません。それどころか、30代40代、あるいはそれ以降でも、「やろうと思えばいつからでも矯正はできます」日本の芸能人は名前が売れてから始める人もご存じだと思います。

 

そう考えれば、あまり思い詰める必要はありません