歯が痛いときは、不安になるものです。
患者さんたちに教えていただく日々の診療を通して、「痛み」を引き起こす原因が、どうも患者さん自身が、気づかぬうちに、上と下の歯をグッとくいしばってしまって歯や、歯の根っこにある歯根膜(歯と骨をつなぐじん帯)に強い力がかかることによることが、かなり多いと気づいてきました。
「ちゃんと歯は磨いている。
前回の歯のお掃除のときには何も問題を指摘されなかった。
なんで痛いの~?」
痛みの原因がわからないときは、
「もしかして、むし歯かも?」
「えっ?歯周病?」
って、ネガティブな声が頭の中で、ざわざわします。
しかし、それが、あなた自身が歯に力を入れすぎていることが原因だったら?
ながらく、なぜ患者さんが痛がっているのか、わからないことが多かったんです。
目で見て分かりやすい、むし歯や、歯ぐきが赤く腫れている時などは、私がまだ、歯科医師になって1年目だった時でもわかりました。
ところが、歯科医師になって10年経っても患者さんが訴える痛みを特定できないことのほうが多かったのです。
目で見ても、X線で確認しても、歯そのもの、歯の根っこ、その周囲の骨に、なんら問題がない場合ってのが、多くありました。
患者さんのブラッシングの仕方はそんなに問題ないのに、、、、
こんな場合は、患者さん自身のクセで、症状が出ていることが多いんじゃないかと気づいてきました。
クセとは、ものを食べていないのに、上と下の歯を接触させ、ついつい喰いしばってしまうってことです。
今の仕事場は小さい診療所で、患者さんの数も午前中8人、午後も6人程度で、のんびりやっていますので、どうしても、今まで分からなかった歯の痛みの原因を知りたくて、ゆっくり患者さんの話を聞いて、じっくりと歯を観察して得た結論が、「生活習慣の中に歯痛を起こさせる原因がある。」というものです。
くいしばりが痛みの原因の場合は、習慣を変える必要がある。
食事以外の時は、かみ合わさない!
これをまず実行してもらうことです。
前提は、僕の話をまずは「そんなこともあるのかな?」と信じて、やってみてもらうことです。
くいしばってしまう時間とは、、、
- 頑張っている時、
- 緊張している時、
- 腹が立っている時、
- 何かの作業に熱中している時、
- 心配事が多い時、
- 細かなことをしている時
- 明日のことを案じて寝ている時
などが多いのではないかと考えています。
患者さんがくいしばっているその瞬間を目撃しているわけではないのですが、くいしばりが原因と仮定して、対策を講じていくと症状が軽くなる、なくなってしまうことが多くなることで、この仮定が正しいと感じるようになっています。
くいしばり時間が増えると様々な症状が出ます。
冷たいものがしみる知覚過敏
たまに、歯や、あごに鈍い痛みを感じる
かんだら痛い
次回は、これらの症状がなぜ痛みを引き起こすのか?を考えていきます。
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